芸術資源研究センター
新たな芸術を生み出す「創造のためのアーカイブ」
京都市立芸術大学 芸術資源研究センター(略称:芸資研)は、京都芸大に2つある研究センターのうちの1つです。
芸資研のミッションは、これからの芸術創造をうながす資源となる「創造のためのアーカイブ」とは何かを探究し、そのつくりかたを考え、実際にそれをつくっていくことにあります。
京都には、また創立144年を数える本学には、たくさんの「芸術資源」があります。これまでつくられてきた芸術作品や制作時の資料だけでなく、ものをつくるための環境?時代背景、さまざまな学問がもたらす知見、さらには経済や社会的仕組みまで、芸術の創造にはさまざまなものごとが関わっています。京都という都市、あるいは京都市立芸術大学という場は、こうした芸術資源について考えるのに最適な場所であると同時に、その宝庫といっても言いすぎではありません。
芸資研は、研究センター自身がひとつのテラスとなることによって、美術や音楽といった境界を越えた、これまでにない芸術がこのまちに生まれる交流の場になることをめざしています。
これまでの芸術についてふりかえるためのアーカイブではなく、これからの芸術を創造するためのアーカイブについて、芸資研ではさまざまな観点から、研究に取り組んでいます。
研究体制
芸資研の研究組織は、次の3つに分かれます。研究内容の詳細や最新情報は、芸術資源研究センターのウェブサイトをご覧ください。
スタートアッププロジェクト
新たに立ち上げる実験的?先駆的な研究プロジェクトです。これまで見落とされていた芸術資源に新たな光を当てたり、蓄積されたアーカイブを用いた実験的な活動などを行います。
重点研究ユニット
芸資研のミッションに関わる重要なテーマに関する、芸資研にとって最も重要な研究プロジェクトです。スタートアッププロジェクトの成果やこれまでの研究結果をもとに、学内外のアーティストや研究者が集まって、共有する課題について新たな視点から共同研究を実施します。
研究グループ
一定の成果を出した後に、特定のテーマについての研究活動や研究のためのネットワークを持続的に維持するためのグループです。
教員紹介
特別招聘研究員
彬子女王殿下
1981年生まれ。立命館大学衣笠総合研究機構客員協力研究員。専門は在外日本美術コレクション研究、文化交流史。 D.Phil.(オックスフォード大学)。主な著書に『文化財の現在?過去?未来』(編著 宮帯出版社 2013)、『写しの力 -創造と継承のマトリクス -』(編著 思文閣出版 2013)。
加治屋健司
1971年生まれ。東京大学 大学院総合文化研究科 准教授。表象文化論?現代美術史。ニューヨーク大学大学院美術研究所博士課程修了。日本美術オーラル?ヒストリー?アーカイヴ 代表。共編著に『From Postwar to Postmodern, Art in Japan 1945-1989: Primary Documents』(Museum of Modern Art, NewYork, 2012)、『中原佑介美術批評選集』全12巻(現代企画室+BankART出版、2011?)。
塩見允枝子
1938年生まれ。1961年東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。1964年ニューヨークに渡り、フルクサス(上記参照)に参加。1965年にメールによ るイヴェント「スペイシャル?ポエム」開始。現在も作曲、パフォーマンス、視覚作品の制作など多様な活動を続けている。主な著書に『フルクサスとは何か』 (フィルムアート社 2005年)。
森村泰昌
1951年生まれ。京都市立芸術大学美術学部卒業、同専攻科修了。1985年、ゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真を制作。以降、今日に至るまで一貫して「自画像的作品」をテーマに作品を作り続け、国内外で活躍している。主な著書に『美術、応答せよ!』(筑摩書房、2014年)、『森村泰昌 「全女優」』(二玄社、2010年)。